ご挨拶

 

代表幹事ご挨拶

 本年度からETS研究会の代表幹事を仰せつかりました。佐田先生(福岡)から大田(沖縄)へ引き継ぐことになりました。これまで、沖縄では2回、ETS研究会を開催しています。
 以前は手掌多汗症に対する手術はいろんな施設で行われていましたが、手術のインフォームドコンセント、特に術後の代償性発汗に対する説明が必要不可欠であり、次第に手術を行う施設が減少している状況です。手術ありきの時代は去り、先ず保存的治療を行い、最終手段としての交感神経遮断術(焼灼、切除)が選択される時代になりました。さて、国内では2020年からのコロナ禍で2023年5月までCOVID-19が2類感染症として扱われ、手術制限もありました。癌、外傷、心疾患などに罹患した患者さんが優先され、良性疾患である手掌多汗症は昨年の7月には約3から4週間の手術の延期を余儀なくされました。当科スタッフも次々と罹患し病院中が混乱しました。われわれの呼吸器センター(44床)はすべてコロナ病棟として使用され、別々の病棟で入院ベッドを確保するジプシー生活となりました。COVID-19が5類に変更され呼吸器センターの病棟を使用できるようになりましたが、まだ油断はできません。
 今年は、はじめてETS研究会が新潟で開催されます。また、仲間と会える日を楽しみにしています。                                                                            中頭病院呼吸器外科                                        大田守雄

第28回日本胸腔鏡下交感神経遮断研究会 会長
                【ご挨拶】

この度、第28回日本胸腔鏡下交感神経遮断研究会のお世話をさせていただくことを大変光栄に存じます。 第20回本研究会にて塩谷先生の総説的なご講演の中で語られた手掌多汗症に対する胸部交感神経遮断術の立ち位置はその後の周辺医療状況、コロナウイルス感染症のパンデミック、ここ数年の多汗症治療薬の相次ぐ承認などの変化の中にあっても大きく変化はないままと思われます。 胸腔鏡下胸部交感神経節切除術(ETS)は手掌多汗の治療として有効である反面、代償性発汗が必発であるため、医療ニーズの上では一定の評価を得ながらも決して治療の第一選択となりえないのが現状です。 今回の研究会が、今後交感神経遮断術の担い手となる若い医師の方々へ示せる中庸の道程を定めるきっかけとなるような会合になればと考えております。 研究会参加の皆様には既出の問題点や過去の事例に関する再検討まで今般の社会通念と再度照らし合わせ議題としていただいてもよいので、様々な観点から活発な議論を展開していただきたいです。 
皆様とお会いできることを楽しみにしております。
                                        敬具

                第28回日本胸腔鏡下交感神経遮断研究会 会長
                         石切生喜病院 秋月 克彦